中学校に入学して3年、学校に行かなくなって1年半、潰瘍性大腸炎になって6ヶ月。まだ未熟な子供ですが、大人が言う「時間が過ぎるのが速い」は実感できます。溶かされていく氷のように、昨日の記憶も薄れていく感覚、、、。

今日は、「不登校で、時間が過ぎるのが速い」というリアルな悩みと、その打開策を深掘りしていきます。

✉️｜Substackから、みんなのニュースレターに移行

これまではSubstackで記事を書いてきましたが、今後は「みんなのニュースレター」で発信していきます。(｀･ω･´)ゞ

といっても、Substackでも数記事しか書いてなかったことに加えて、発信内容を変えたばかりなので記事の移行はしていません。みんなのニュースレターで公開するのは、本記事が1本目になります。

おそらく「こいつは誰だ？」って人も多い思うので、ぜひ

もチェックしていってくださいませ。

☀️｜体質には抵抗しないほうが良かった話

前回の記事では「子供にとって早起きは体に悪いよ！」って話をしつつ、自分の体で実験してみました。とりあえず3週間ほど7時起床を続けてみたのですが、体調不良が続いて「やっぱり早起きは良くないな…」という感想に至りました。

思い出してみればマナブさんも

ようで、体質に抵抗しないほうが良いなぁと。

ということで、今後はフリースクールに間に合う8時30分に起きることにします。「学校の始業時間を遅らせるだけで成績が上がる」って話がありますが、早起きを強制する普通校よりもフリースクールのほうが理解が進んでいるような気がしますねぇ。

⏳｜退屈な時間は長いのか？短いのか？

今回は「不登校になると、時間が一瞬で過ぎ去る」というテーマ。年をとって時間が速く感じるようになる人が多いですが、同じような状況です。僕も不登校になって以降、プッチ神父に時間を加速されたのか疑うレベルです（めっちゃ速いってこと）。

よく「退屈な時間は長くて、楽しい時間はあっという間」と言われますが、この考えには罠があります。例えば、学校の行事や音楽フェスに参加すれば時間は一瞬に感じますが、思い出として回想することが多くなります。すると、振り返ることが増えて時間が長く感じるわけです。

一方で、家に引きこもって毎日同じようなルーティンを過ごしていれば、思い出す体験すらありません。結果として、「その瞬間は長く感じるけど、1ヶ月を振り返ると一瞬だった」という不思議な状態になってしまいます。

📱｜退屈を避けた先のインターネットの罠

たいてい、学校にいかなくなると無気力かつ退屈な状態が続くので、娯楽目的のSNSを求めるようになります。

これが最大の落とし穴で、特にショート動画なんかは「その瞬間は短く感じるし、振り返ることもない」という損でしかない錯覚に陥ります。速く感じる時間がさらに加速してしまうわけですね。

人間関係や病気の苦痛から逃れたと思うと、次は退屈と向き合わなければいけません。

ちなみに、ハーバード大学ではどんな退屈な事柄にも好奇心を持てるように「3時間絵画を見つめ続ける」という講義もあるそうです。インターネットとは対極的なトレーニングですね。

これにより、開放性が鍛えられ、あらゆる体験が新鮮に感じられるのでしょう。（

💡｜社交を避けたがる哲学者から学ぶこと

哲学者や作家の多くは、社交を痛烈に批判して、孤独を好む傾向にあります。

良好な人間関係が幸福に強く関与することが明らかになった現代だと、つい「ここまで言いますかぁ」と思ってしまいます。

単純に、「哲学者や作家は内向的で繊細だから」といえば説明できるかもしれません。しかし、社交好きとされるヴォルテールも「この地上には、口をきく価値すらない人間どもがうようよしている」と語っています。これまたストレートな物言いですね。

意志と表象としての世界」解説 ショーペンハウアーが解き明かしたこの世界の「正体」〜Kの思索(付録と補遺)vol.20〜 - Kの思索(付録と補遺)

🌱｜壁のシミすら新鮮だった幼少期

おそらく、哲学者がここまで孤独を好むのは開放性（芸術的感受性）が高いからでしょう。産まれて数年しか経っていない子供のように、あらゆる概念に思想を広げています。

僕も、幼少期はお風呂場のシミにも「飛行機みたいな形してるな〜」と興味を持っていたもんです。流れる水が腐らないように、幼少期は気づきが絶えず繰り返されるので、沈滞に陥ることもありません。故に、少年期の時間はゆっくりと過ぎていくわけです。

しかし、成長期あたりから、興味が社交や外界に向きます。充実した社交ができれば良いですが、個性的であれば苦痛を招くことも多いはず。学校は特にそうですね。

🕒｜「あっという間の体験」が不足している

僕と同じように学校に行ってなかったり、日常に新鮮さが欠けていれば時間も一瞬に過ぎ去ります。はじめに記述した通り、時間が溶ける感覚を逃れるには、「あっという間だけど、思い出に残る体験」が必要です。

一見矛盾しているようですが、変わらない生活を脱するには最も現実的な方法かもしれません。これは僕のような不登校生活だけでなく、昔より時間の余裕を感じない社会人にも有効です。

「新しい体験」といっても、旅行やスカイダイビングのようなハードルが高いことをする必要はありません。

【内向的な人でもできる、新しい体験】

こういった体験により、生活に一種のスパイスが添えられます。時間が溶ける感覚を脱しつつ、自分の行動範囲を広げるきっかけにもなるはず。

さらに言えば、友人やパートナー、家族と共同して体験できれば、なお良いでしょう。親密な関係を築きながら、体験の深みが増します。

ゲームは親世代から悪く見られがちですが、簡単に言い表すなら「仮想現実でのスポーツ」です。依存症にならなければ、他者と関係を深めたり、貴重な思い出になることもありますからね。

🍏｜新鮮さがなくて、未熟なまま

中高生くらいだと、人間関係や病気で不登校になる人も多いでしょう。僕は、それが起立性調節障害や潰瘍性大腸炎などの病でした。

自分の力が及ばない範囲の弊害があると、まずは受容することが必要になります。無理に治そうとしたり、体調を忘れて行動したりすると、反動が返ってくるだけですからね。

ただし、受容と同時に「変化」がなければ成長できません。マインドフルネスのように「現在を観察して受け入れる」という考え方が重視されてきましたが、「変化を望むこと」と「自分を受け入れないこと」は同義ではないからです。諦めは変化を遠ざけますが、受容は変化を促進してくれます。

不登校生活ではまず安全を確保して、次に自分の状況を受け入れたら、最後に第3段階目です。少しだけ日常に新鮮さを取り入れて、変化していきましょう。

モグラが土を掘らずにはいられないように、人間はあれこれ骨を折り、抵抗し闘わずにはいられないものなのだ。「いつも同じ楽しみで十分」とすると、いつしか停滞を招き、人間はそうした停滞に耐えられない。

ショーペンハウアー「幸福について」